水を吸って木が育ち、木を燃やして火が栄えます。火は燃え尽きると土になり、土の中から金属が生じます。金属は溶けると水に戻ります。
隣り合うものに勝っていき、一周すると同じ強さだという事がわかります。相生の語源はここにあります。
水は火を消し、火は金属を溶かします。金属は木を切り倒し、木は土から養分を吸い取りますが、土は水をせき止めることができます。
向かい合う関係は、互いを抑制し調節する関係だと言われています。
この世に誕生し成り立つすべてのものは「陰」と「陽」に分けられます。
(地と天・月と太陽・夜と昼)
そしてそれらは「五つの要素」(木・火・土・金・水)から成り立ち、さらにその各々も「陰」と「陽」のバランスで営まれています。
人間の身体も同様で、相関関係(バランス)が大切と説いている理論です。
木
木は、肝臓(五臓)、胆(五腑)、春(五季)、青(五色)、酸味(五味)などを表し、相生の関係では、「木が燃えると火となる」、相剋の関係では、「木は土を剋す(打ち勝つ)」となる。
※木は土から養分を吸収する。
諸説はあるが、陰陽五行説に則れば、「肝臓は青→甘を食すに宜し」とあり、肝臓には、土に分類される食材が良いとされる。
火
火は、心臓(五臓)、小腸(五腑)、夏(五季)、赤(五色)、苦味(五味)などを表し、相生の関係では、「火は後に灰土となる」、相剋の関係では、「火は金を剋す(打ち勝つ)」となる。
※火は金属を溶かす。
諸説はあるが、陰陽五行説に則れば、「心臓は赤→酸を食すに宜し」とあり、心臓には、木に分類される食材が良いとされる。
土
土は、脾臓(五臓)、胃(五腑)、土用(五季)、黄(五色)、甘味(五味)などを表し、相生の関係では、「土の中から金属鉱物が得られる」、相剋の関係では、「土は水を剋す(打ち勝つ)」となる。
※土は水をせき止めたり、吸収する。
諸説はあるが、陰陽五行説に則れば、「脾臓は黄→鹹を食すに宜し」とあり、脾臓には、水に分類される食材が良いとされる。
金
金は、肺(五臓)、大腸(五腑)、秋(五季)、白(五色)、辛味(五味)などを表し、生の関係では、「金鉱のある所に水源がある」、相剋の関係では、「金は木を剋す(打ち勝つ)」となる。
※金属は木を切る。
諸説はあるが、陰陽五行説に則れば、「肺は白→苦を食すに宜し」とあり、肺には、火に分類される食材が良いとされる。
水
水は、腎臓(五臓)、膀胱(五腑)、冬(五季)、黒(五色)、鹹味(五味)などを表し、相生の関係では、「水分があればそこに木が生長する」、相剋の関係では、「水は火を剋す(打ち勝つ)」となる。
※水は火を消す。
諸説はあるが、陰陽五行説に則れば、「腎臓は黒→辛を食すに宜し」とあり、腎臓には、金に分類される食材が良いとされる。